今日は…今日だけは…
今日の夕暮れ時の出来事です。
今日はちょっといろいろあって、疲労困憊でした。
そんな帰り道。
私は、とある交差点で信号待ちをしておりました。
すると、交差点の反対側から、年配の女性(丁寧な言い方)が自転車に乗ってこちらに向かってきました。
それだけならいいのですが、かなり遠くの方から自転車のベルを「これでもか」というほど鳴らしながら走ってきたのです。
私の一方的な考えですが、自転車のベルというのは、自動車のクラクションと同じくらいのレベルで濫用してはならないものだという信念があったりします。
正直「どけどけどけ」っていうのと同じじゃないですかね。
そもそも一般道というのは歩行者優先なわけですし、自転車の方が気を遣うべきだと思っています。
(あくまで私の考え方です。)
で、その交差点、歩道も結構広かったですし、私が避けなくても充分自転車が通るだけの道幅はありました。
なので、そんな信念も相まって動かないでいたのです。
ま、疲労困憊で、ちょっと動くのも億劫だったというのもありますが。
するとその年配の女性がこう言ったのです。
「ちょっと。そこ通るんだけど。」
・
・
・
一瞬何を言われたかわかりませんでした。
え?別に通れるんじゃないの?
ちょっとハンドルを左に切って行けば全然問題ないんじゃないの?
その状況を認識するまでに少し時間がかかったのですが、とりあえず一歩下がってやり過ごそうとしました。
すると、すれ違いざまにその女性がこう言ったのです。
「まったく…気が利かないねえ。」
さすがに頭にきましてね。
追いかけて
「ちょっとそこのご婦人。少々お待ちいただけませんか。」(丁寧な言い方)
と言いかけました。
言いかけたその時…ふと思ったのです。
今日は…何の日だったっけ?
今日は…確か…
敬老の日…
うん。
そうだ。
今日は…今日だけは…飲み込んでおこう。
そうしよう。
うん。
そうだ。
今日は、ビールを、飲もう…。