終焉


この道を最後まで歩き通せば・・・幸せになれる・・・。




なんかだんだんそんな妄想すら始まってきました。


歩き始めて1時間。
体力的にはまだ元気でしたが、間違いに気付いた後の心の折れようといったら。
それでも・・・歩き続けなければなりません。
そう、幸せになるために(だから違う)。


とりあえず√2とはいえ、一旦は東へ向かわなければなりません。
それもなるべく早めに。
運よくこれまた某有名な幹線道路にぶつかることができましたので、とりあえず左折。


30分ほど歩いた頃でしょうか。
なんか見たことある建物が・・・。




我が社の某事業所を発見!




これにはかなり勇気付けられました。
私の記憶が確かならば、出発地と我が家を結んだ南北ラインのちょうど真ん中あたりにあるはず。
東西ラインの修正が完了したうえに、あと半分の所まで来たのです。
あと半分です!
あと半分・・・








あと半分か・・・ _| ̄|○








それでも、ここで自分の居場所がかなり明確に把握できたわけで。
あとは地名を頼りに南へ向かうばかり。
でも、ここからが地獄でした・・・。


それまでずっと平坦な道を歩いていたのですが、ある時から「どうもアップダウンが続くなあ。」と思い始めたのです。
さすがに体力消耗が通常比2倍(当社実感比)。
普段はまったく考えたことなかったんですが、この時私は初めて、我が家の住所の由来を実感しました。
そういうことだったんだ・・・。


上って下ってを繰り返し繰り返し。
だんだんまっすぐ歩けなくなってきてます。
まっすぐ歩いているつもりでも左右へふらついてます。
深夜の住宅街をフラフラしながら歩き続ける中年1人。
もし警察が検問でもしていたら、間違いなく職質ものだったでしょう。
てかこうなったらむしろ、「はじめての職質」にでも遭遇したらネタとしておいしいのになあ、なんて思ったり。
残念ながらパトカーには何台か遭遇したものの、お巡りさんは話しかけてくれなかったんですけどね。
空気読めよ。




こうして、歩き始めて3時間ほど経った頃だったでしょうか。
本日3回目の幹線道路に出たのですが。


この道は・・・見覚えがある。
そう、確か・・・。








いつもウォーキングしてる道ー!








かなり東に歩いたつもりではいたんですが、いつものルートよりまだまだ西にいたみたいですが。
それでも土地勘がわかる所まで出れました。
あとはいつものウォーキングルートを歩いて帰るのみ。
相変わらずまっすぐ歩けない状態だったんですが、ここまで来ると、気持ち的にも余裕が出てきます。
ゴールが見えているのといないのとでは、こんなに違うものなんですね。
ここで本日はじめての休憩。
休憩というか、自分のやり遂げたことを噛み締めたというか。
ペットボトルの水を一気に飲み干し、タバコを一服。
ちょっと感慨に浸ってみました。


ただ、5分ほど休憩した後、「さあ歩き始めよう。」と思ったら・・・体が動かない。
緊張感が解けたんでしょうかね。
我が家とは目と鼻の先でしたから、何とか歩けましたが。
もしもっと前で休憩とかしていたら、最後までは歩けなかったかもしれません。
ノンストップで歩いたことが成功の秘訣でしょう。




こうして、ふとした思い付きで始まった試練への道は終わりを告げました。
トータル徒歩時間3時間30分。
家に到着するなり、「2kgくらい減ってたらどうしよう。」みたいなこと考えて体重を量ってみたりしたんですが、
全く減ってませんでした。
でもとりあえずそんなことはどうでもいい。
寝よう・・・。




神様、僕はこれで幸せになれるでしょうか・・・?
(だから妄想)(そもそもとっととタクシー乗れって)