たまにはいい話でも


今日、電車に乗っていた時の話です。




それなりに混んでいる車内。
車内に入り、何気なく吊革につかまって立っていました。


隣にギャル風の若いコが二人。
年のころなら二十歳ちょい。
もう見るからに遊んでそうな。
言うまでもなく、僕の苦手なタイプです。
関わることはないだろうけど、ちょっと体が当たったりしたら、「ナニこのオヤジ。ちょーキモイんだけど。」みたいな目で見られたりとかするんだろうなあ、と、悪い方へ悪い方へ妄想を膨らませながら、少しでも離れようと努力したりしてました。


さて、この二人、隣でずーっと喋ってたんです。
当たり前といえば当たり前ですけど。
ま、盗み聞きしてたわけではないんですが、普通に会話の内容が聞こえてきてしまったんです。


最初のうちは他愛のない会話だったんですが、どうやら片方のコが近々結婚する風な話になったんですね。
すると、結婚するらしき方のコが、神妙に話し始めたんです。



「なんかさあ、最近、お父さんとお母さんを尊敬するんだよね。」
『ふーん。やっぱ結婚する、ってなると、そんな風に考える?』
「うん。そうかも。でもね、迷惑ばっかかけてきたけどさあ、お父さんとお母さんが一人の男性と女性として出会って、結婚して、私がいるって、すごいことだと思うんだ。」
『うん。そう考えるとステキなことだよね。そう思えるって幸せなことだと思うよ。』


なんか・・・人を見た目で判断しちゃいかんなあ、と思って、ちょっと反省しました。
どんな迷惑をかけてきたのかは知りませんが(笑)、若いコでも、こんな風に親に対する尊敬の念とか感謝の気持ちを持っているんだなあ、って。


これからこの国を背負っていくであろう若者。
ときには「最近の若いモンは・・・。」なんて言われたりもする世代ですが。


でもね、こういうコたちがいて、また次の世代にそういう思いを伝えていって。
そう考えると、この国はまだまだ大丈夫ですよ。


ほどなくして僕が先に降りました。
その後、二人の間で、ステキな会話が続けられたことでしょう。


どこのどなたか存じませんし、二度と会うことも関わることもないでしょうが・・・




「お幸せにね」