世の中のすべてが敵に見えた日


私の家の近くにですね、一軒のステーキハウスがあるんです。


多少興味を引かれてはいたんですが、いつ見てもカップルとか家族連ればかりでしてね。
これは自分にとって敷居が高いなあ、というか、一人で行ける店じゃないなあ、って思って諦めてました。


そういえば家探しの途中、この店の前を通り掛かった時。
不動産屋のAさんが
「こういうところにばかり行ってちゃダメですよっ。ちゃんと自炊しなきゃ☆。」
って微笑みながら言ってくれたことを思い出します。




…大丈夫です、Aさん。




別の意味で店に入ることもできていません。




さて、話を現実に戻しまして。
まあこの店に行くことはないだろうと思って毎日過ごしていたんですが。
ある日帰ってポストを開けたらですね。
この店の割引券が入っていたのです。
見ると「平日は半額!」とのこと。
半額は・・・デカイですね。
しかも結構いいお値段のものが半額。
いつか行ってみようと思って、財布の中にこの割引券を入れておきました。


で、今日。
夕メシ何食うかなあ、と街をブラブラしている時に、ふと財布の中にこの割引券を入れておいたことを思い出したのです。
で、「最近疲れてるし、肉でも食うか。」と思って、とりあえず店の前まで行ってみたのです。


まずは第一関門。
店の混み具合を見てみる。
この段階で家族連れやカップルがいっぱいだったら、今日はアウト。
おそるおそる店の外から中を見てみると・・・
家族連れが1組と、男性2人組が1組。
これならイケル!と、いざ突撃。


店の中に入ると、店員さんが「お好きな席へどうぞ。」というので、一番奥の席へ行ってみました。
座ったのは、4人掛けテーブルが2×3の6組ある中の、真ん中のテーブル。


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|↑ココね    | 
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で、ビールとステーキセットを注文しました。


まずビールとサラダ、スープが来ました。
この時点ではですね、「コレだけのものが半額ですよ〜。」ってブログに書くつもりだったんです。
なので全て揃ったら写真でも撮ろうと思って、待ってみたのです。




30分待っても来ませんが。




ビールも泡はなくなるし、スープは冷め切るし。
おまけにクーラーガンガンで、寒いのなんの。
それでも「もう来るだろう。」って待ち続けてみる・・・。




そうこうしているうちにですね、新しいお客さんが入ってきたのです。
そうですね、20代半ばくらいの女性でしょうか、15人ほど。
「こりゃ目の保養になるわい。」なんて思ってたんですが、何を思ったか店員、


このグループ全員を私の周りに案内しやがりましてね。


すなわちこういうことです↓。


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・・・これ、イヤガラセ以外の何物でもありませんよね。


キャピキャピ(死語)と楽しそうなうら若き乙女達。
こっちは泡のないビールと冷めたスープ、乾燥したサラダを前にじっと待ち続ける中年1人。


ちょっと泣きそうになりました。


いや、正直に言います。


ちょっと泣きました。


このシチュエーション、「目の保養」どころではありません。
一瞬でも早くこの場を立ち去られるように、目の前にあるものを片付ける。
写真なんてどうでもいい。
もう何分待ったかわからないけど、とにかく早く来てほしい。


それでもまだ来ないんです。


さすがに店員さんに「あの・・・まだかかりますかね?」と聞いてみたところ、「もう少しお待ちください。」とのこと。
ステーキ焼くのに何がそんなに時間かかるんでしょうか。
それからほどなくステーキとライスが来たわけですが、一刻も早く立ち去りたいこのシチュエーション。
この店ではテーブルにおいてあるソースを自分でブレンドしたりしてお好みで、っていうスタイルだったんですが、とてもそんな状況じゃないので、醤油かけて一瞬で食いました。


何だったんでしょうねえ。
待ち時間といいこのシチュエーションといい・・・。


結局どれくらい待ったかというとですね、
女性のグループが来てから今日のブログのネタの方針転換を決定し、それからこの日記を携帯に打って下書きしてたら、ほぼ全て書きあがっていた
くらいの時間です。


しかも外出ようとしたら大雨。
来る時は全くそんな気配なかったのに・・・。




もうこの店には二度と行かないことを決めたことはともかく、
とりあえず今日は、世の中のすべてが敵に見えました。